クリニックは、医師免許を持っているお医者さんが一人以上いれば開業できます。ベッド数についても規定がありません。従って、お医者さん一人ですべての患者さんの診察をして、入院が必要な患者さんに対しては大きな病院を紹介するなどの医療行為を行う場合も多々あります。このようなクリニックの果たす役割は、従って重病人に対する医療サービスの提供とは異なります。
そのような医療サービスは、大きな総合病院などが行うべきことであり、クリニックの役割は、いわゆる町医者として地域医療に貢献することにあります。即ち、医師が1人程度しかいないということは、責任者である院長先生が直接診察してくれることが多いため、患者さんにとってみれば、自分の具合の悪いところを継続的に同じお医者さんに診てもらえるという利点があります。このことは、特に生活習慣病や慢性の病気の患者さんには利点となります。何故ならば、このような病気の場合、数か月から数年、或いはもっと長い期間にわたって治療が必要ですが、その間一貫した診療方針で治療を受けられますし、診療の効果を見て適宜治療や投薬を変更することも可能だからです。
また、大きな病院に比べると患者数が少ないこともあり、待ち時間が短くて済みます。従って、風邪などで最初に診てもらう場合に適していますし、少し具合が悪かったりする場合にちょっと診てもらうということも可能です。このようにクリニックの役割とは、地域に密着した医療サービスを提供することにあるのです。